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松山でアウトドアと園芸&研究

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カヤック漕いだり山登ったり 最近はまった庭弄り    本業は教育と研究ですが。

装置の作製

たまには、備忘録的に研究のことでも。

予算とって出来合いの装置を買ってくるより、自分で一から組み上げていく方が楽しい。自分が作った装置が出してくれるデータは出来合いの装置の出すデータより愛着がわく。昔は、そんな研究者が多かったように思います。最近は、すぐに成果を求められるから、そういった研究のプロセスって軽視される傾向があるけれど、装置を組むってことは重視していきたい。一緒に装置組みをやる学生にも、講義だけじゃ伝わらない何かを伝えることができるような気がするし。

とりあえず、今年度作ったのが、触媒反応装置。ガスラインを取って、流量制御できるようにレギュレータと流量計をつけて、原料供給システムと反応液回収トラップをつけた反応管を管状炉にさして、温調つけるだけのシンプルな構成だけど、アングルカットから始まって櫓を組んで装置を組んでいく、一部始終を学生と一緒にやった。

現在作っているのは、TPR(昇温還元)装置。
果たして、今年度予算の余りで組むことができるか?
まず、TCD(熱伝導度検出器)が必要。30年前の研究者はここから自分で作っていたらしいけど、さすがにそれは無理。色々調べていたら、某社のガスクロの補修部品が使えそうな感じで発注。技術資料もいくらかもらって、装置組を始める。

反応装置と比べると、ガスラインと温調が必要なのは同じだけど、TCD制御系と検出系の電気回路が必要。ガスラインもTCDのシグナル安定のために流量の安定が必要。

ガスラインは、通常のレギュレータの下流に二次レギュレータをかましてニードルバルブ付き流量計。レギュレータの出口は3mmのステンレス管。流量計は1/8inch-SL対応なので、二次レギュレータには、in側は3mmのSL、out側1/8のSLという構成に。両者直径にほとんど誤差程度の差しかなくて、学生とどっちだっけ?などとやりながら、それでも無事組み立て。ガスを流すと20ml/minの流量で驚くほど安定している。反応装置のシリコンチューブ+とりあえずストップバルブに比べるとだいぶまし。やっぱステンレス配管とニードルバルブ使わにゃーってことか。

TCD制御系は、不要物品の再利用で昔確保した直流安定化電源。検出系は、USBインターフェース付きのマルチメータを購入しUSBを介してパソコンにデータを取り込むことにする。

パソコンは5万5千円でよさげなノートがあったけど、買ったのは学生のデスクワーク用に取り上げられてしまい、装置制御には、古い速度の遅いお古の大きいデスクトップパソコンが回ってくる。LCDも微妙なのがあったので、結局CRTつなげて、さらにでけー、と思いつつ、さっそくネットで落としたドライバを入れてマルチメータにつないで見る。安定化電源の出力をマルチメータを介してパソコンに取り込むってのをテスト的にやってみると、正常動作。当初は壊れた機器のACアダプタ使うことも考えていたけど、やっぱ安定化電源の電流・電圧値の安定性は凄い。意外と良いシステムに組みあがるかもしれない?

こっから先はTCDに電流流して信号を検出するってのをやるのだけど、ガスライン系のジョイントがまだ届いていない。ガスを流さずにTCDに電流流すとフィラメント切れちゃうから現状できる作業はここまで。
温調と電気炉も注文中。
来週には一通りの器具がそろって、ある程度の形に組み上げることができそう。

それでも、狭い机の上に、古い大きいデスクトップパソコンにいまやほとんど見ることのないCRT。その横にちょっとした大きさのマルチメータと直流電源が載って、ガスのレギュレータやら流量計やら。これにTCDつなげて電気炉に試料層を設置して、ってことになるのだけど。装置てんこ盛りに加えてTCDの断熱考えると電気炉の置き場所も問題になるし、どんな出来上がりになるのか、イメージが余りわかない。もっとスマートに行きたいけどね。
ここら辺が、ありあわせのもの使って装置を組むのと、出来合いのものでやるのとの違い。やっぱ出来合いのものはコンパクトに仕上がってるから。いやいや、パソコンがでかいのが全ての元凶かも?

とりあえず費用
TCD検出器 9万5千円
マルチメータ 7万7千円
パソコン 5万5千円 (学生使用パソコンの更新を兼ねて)
H2/N2ガス 2万円
流量計 5万円
レギュレータ 2万円
電気炉 14万円
温調とSSR 1万7千円
他に配管系小物とか、ステンレス管とか。やっぱ40万円を越えたかぁ。それでも有り合わせで流用したものがあるから、まだこの額で収まってるとも言える?安定化電源も普通に買うと結構高いからねえ。
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by river_paddling | 2009-02-26 18:36 | 大学での事