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松山でアウトドアと園芸&研究

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カヤック漕いだり山登ったり 最近はまった庭弄り    本業は教育と研究ですが。

トムラウシの事故に思う

大雪山系のトムラウシ山で遭難事故が起こりました。ご冥福をお祈りします。

トムラウシ山は、10代の時に登ったことがあります。当時まだ元気だった若者で、層雲峡から大雪ダムまでR273を歩いてユニ石狩川の林道から登山口に入り、石狩岳から沼の原、五色岳から縦走して白雲岳、お鉢平を回り、旭岳経由旭岳温泉から天神峡温泉に下って、クワウンナイ川を遡行、ヒサゴ沼から五色岳まで行って南下、トムラウシから三川台、オプタテシケ、十勝、富良野岳、と縦走。

テント担いで食糧持って約二週間、結構きっちりの予定で食料も緊縮で前半は荷物も重くシャリバテなんかもしたりしてましたが、途中、予備食が余ったから、と食料の寄付を頂くことも相次ぎ、ヒサゴ沼で二泊してお花畑を楽しんだり、なんてこともできました。日程中台風が来たときは小屋で停滞したり、それなりに余裕をもった山登りでしたが、夏休みの長い学生だったからこそ、できた、とも言えます。

トムラウシ近辺は、当時の記憶からしても、非常に景観に恵まれた地域で、季節があえば、広大な高原に一面のお花畑が広がる、まさに天上の楽園といっても大げさでないくらいの魅力があります。それに加えて百名山ブームなんてのもありますから、人気があるというのもうなづけます。しかし、避難小屋はヒサゴ沼にしかなく、シーズンはすぐにいっぱいになりますから、テントは必須、基本的に体力の必要な山域になると思います。

今回の遭難事故を起こしたパーティは、旅行会社のガイドツアーであること、中高年(50以上の高齢)が中心であることがわかります。私も海外登山で一度だけ企画ガイドツアーに参加したことがあります。幸い、メンバーの足が揃っていましたが、弱い人が混じるとパーティとしての機能が当然損なわれます。また、天候にも左右されますから、たまたま天気がよかったので何のトラブルも起きなかった、とも言えます。

「旅行会社などによると、ツアーは13~17日のうちの3日間で、旭岳からトムラウシ山の計45キロの行程を縦走する計画。一行は16日午前5時半頃、宿泊した避難小屋を出発し、遭難した。」ということで、
13日 集合してふもとに移動、宿泊
14日 旭岳温泉からロープウェイで入山、白雲岳避難小屋宿泊
15日 縦走してヒサゴ沼避難小屋宿泊
16日 トムラウシ登頂後トムラウシ温泉へ下山
17日 移動、解散
こんなスケジュールでしょう。大学の登山サークルあたりで足が揃えば、一日の行動時間が8時間弱、夏の季節なら日も長く余裕をもって、夏の合宿を楽しむのにもよさそうなプランです。しかし、それは予備日を取って、体力も十分あるという前提。「遭難したパーティーは連日8~10時間縦走する日程で、15日には雨の中を約10時間行動していた」、悪天候に加え、中高年ですから歩行速度ペースが遅く時間がかかったということでしょう。

で、装備が濡れて、疲れて小屋に到着、混雑した小屋では体力回復も進まず、濡れたものも乾かず、悪天候の中を出発。運悪く気温が下がって風も強く吹いて、しかしペースアップして逃げるだけの体力が無く体温が奪われ行動不能に陥る、遭難の典型的なパターンでしょうか。

トムラウシ近辺では逃げるエスケープルートもほとんどありません。予備日もありませんし、おそらく十分な呼び食料もないでしょうから、帰りの飛行機の日程上予定変更の効きにくい状況もあって、無理をしたような感じです。余裕のない日程、悪天候、相互の体調確認の意思疎通の乏しさ、こういった感じの状況で、無理に出発、結果的に天候が悪化し遭難。運の悪い負の連鎖とも言えるでしょうが、こういったツアーの余裕のない日程の組み方で、無理に突入すると、遭難するのも一定確率で起こってしまいます。

私がもう一度この山域に上るとしたら、車で沼の原の下まで入って稜線まで上がってヒサゴ沼をベースにピストンするかな?景観を楽しむという目的にも、無理をしない、逃げ道を確保する、って意味でも、たぶん一番無難そう。最近の運動不足の自分を振り返るに縦走する体力はないだろうし。
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by river_paddling | 2009-07-19 15:53 | 山登り・旅行