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松山でアウトドアと園芸&研究

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カヤック漕いだり山登ったり 最近はまった庭弄り    本業は教育と研究ですが。

中免実験

今日は中免実験の担当の日。

中学の理科教育免許取得のための実験で、化学以外の学科の学生向けに開講するので通常の講義の無い日に行うとの説明を受け。教職希望の学生さんなら、一般的な実験より子ども受けする実験の方がいいだろうと考え、ケミカルガーデンと銀鏡反応を行うことに。

この二つの実験、必要なのは器が少々でそれ以外の特殊な機器は天秤位、試薬だけ用意すれば実施可能なため、結構お手軽にできます。一方で視覚的に面白い結果が得られるので、実施効果が高いのが特徴。中学校や高校の科学部なんぞが文化祭などで大きな水槽で展示したり、実演したりもしてます。ただし扱う試薬の関係上、色々と事故も多いのでそういった注意も含めて実験を行ってみました。

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昔前任地でオープンキャンパスの時にやったケミカルガーデンの例。大きな水槽でやるとなかなかきれいな展示物になります。強アルカリを使う、劇物の試薬を使うということで少しケアは必要ですが、学生さんも結構楽しんでやっていたようです。

実はケミカルガーデンの実験をやって一番面白いのは最後の後始末。強酸を加えて中和させるようにしてますが、溶液が一気に固まるのは結構インパクトがあるようです。後は乾燥してシリカゲルとして廃棄。もし実施したいならこちらのページは結構お勧め。写真が似ているようだが?。気にしない、ただの使いまわし。なんだ、ただの自画自賛か、などという突っ込みはなし。

ケミカルガーデンは機会あるごとに実施していてこちらも手馴れているのですが、銀鏡反応ははるか昔にやった記憶があるだけ。せっかくなのでこっちもやってみようと考え、実験方法をどうするか、記憶を頼りに試行錯誤するほど時間は取れない、この手の実験の実施要綱はインターネットに結構広くあるので、少し探してみると奈良教育大の教育実践総合センター 研究紀要 Vol.15 2006/3 奈良教育大学中に化学反応のより明確な理解をめざした高等学校化学の「銀鏡反応」教材の開発 というなかなかしっかりした資料がありました。グルコースを使う実験手順の例が多く、私が昔やったときもグルコースを使った気がしたのですが、このケースではホルムアルデヒドを使用。これを参考に実験手順を組み立て。

で、頼んだ試薬が届かないピンチがありましたが、有機系の研究室から借りてきて無事実験が実施できました。しかし、実際に実施してみると、夏だったので反応が速すぎたようで、銀アンモニア錯体の溶液にホルマリンを滴下したら直ちに沈殿が生成。プラスチックの器にさえ銀幕が出来、

> ホルマリン(ホルムアルデヒドの37%水溶液)を、こまごめピペットで0.4mlとり、トレイにまんべんなく滴下し、トレイを動かして振り混ぜてすぐにスライドガラスをそっと沈める。

ころには沈殿が大きく成長して、ガラス上に沈殿が堆積しただけで、きれいな銀膜の生成は見られず。沈殿生成は結構遅いという記憶があったのは、やはりグルコースとホルムアルデヒドの反応性の違いでしょうか。希望者だけ追実験を行い、手順を「ガラスを沈めホルマリンを滴下」としたところ、無事に銀膜の生成が確認できました。居残りで実験を実施した学生さん、喜んで裏にガムテープを貼ってマイ鏡としてお持ち帰りいただきました。

失敗を成功の母とするならば、ガラス板を入れる順番を変えた二種類の実験をやらせて違いを考察するというのは、面白い課題になるかもしれません。さらには液温調整をして、液温と銀膜生成の対応を調べるとか。温めると事故の可能性がでてきますが冷やすなら結露が気になるくらいでそれ程問題は無し。実験室には製氷機を常備してますので、色々なバリエーションが考えられそうです。次の機会に試してみますか。

杉原先生の理科室にもかなり詳細な手順あり。こういった教材開発をされている先生方が、子どもたちの理科への関心作りを支えていると改めて。

子ども人口減少の現在、教職の免許を取っても実際の教員採用はなかなか難しいのが現実ですが、今回実験に参加してくれた学生さんの何人かでも、教育の現場で働く機会があれば、こういった魅力のある実験を子どもと一緒にやって欲しいと思いつつ。
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by river_paddling | 2007-08-20 18:20 | 大学での事